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「F1のエンジンについて」
F1のエンジンはレギュレーションにより、3000ccのNA(自然吸気型)エンジンを使用している。エンジン気筒数も10気筒と決められている。いまやNAながら最大馬力は約800馬力以上を発生し、最高回転数は18000回転以上の高回転で、100kg以下と非常に軽く仕上げられている。
「エンジンレイアウト」
エンジンレイアウトは、V型が主流である。過去にはW型や水平対向エンジン(H型)などを採用したメーカーもあったが、今ではこれらを見ることはなくなった。レギュレーション上は、V型以外のレイアウトも可能だが、V型以外の10気筒エンジンレイアウトを考えてみると、直列ではエンジンが長くなりすぎ、空気の抵抗を考えると、車体に収めることは困難である。その他のレイアウトも同じく、構造が複雑になりすぎるため現実的ではない。そのためF1エンジンは事実上全てV型レイアウトになっている。
「重量の限界へ」
エンジンの開発の目的はたくさんあり、簡単には「エンジンの低重心化」、「出力の向上」、「燃費のよさ」、「壊れにくいパッケージ(エンジン)、そして「軽量化」がある。ここでは「軽量化」について紹介する。
エンジンを軽量化する方法の一つはエンジンの材料を軽いものにすること。市販車では「耐久性」、「コスト」などを考慮して鋳鉄を使うが、F1ではアルミやチタンなど軽金属を使う。
〜豆知識〜
メルセデスは、2001年までベリリウム合金(Be)でエンジンを製作していた。ところが翌年よりベリリウム合金の使用が禁止されてしまった。その理由は、コストがとても高いこと、加工時に毒が発生することである。
「低重心化〜バンク角を広くとる〜」
エンジンを低重心化する基本が、V型エンジンのバンク角を広くとる方法だ(バンク角とは左右斜め上に配置された気筒の角度のことである)。今までは72度が主流だったが、最近は、2000年にフェラーリが採用した90度が最近のトレンドとなっている。
〜豆知識〜
その年、ルノーだけは112度の超広角エンジンを使用したという。バンク角を広くとればエンジンを低く抑えることができ、マシン全体の低重心化につながり、マシンの性能をあげることができる。
F1のテクニカルディレクターのパトリック・ヘッドは、「重心位置を1mm下げると、ラップタイムが0.3秒縮まる」と話しており、エンジンの低重心化が、いかに重要なものかを示している。
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